古代から、人間は生来の探究者として、周囲の謎を絶えず調査してきました。星空を見上げれば宇宙の果てに思いを寄せ、地上を見下ろせば生命の誕生に興味を抱き、海に潜って未知の種を発見し、物質を分解して原子構造を理解しようと試みてきました。
あらゆる探究を重ねる中で、ある一つの問いが常に私たちに付きまとってきました。すなわち、「思考し、感情を持ち、創造する私たち人間という存在は、一体何でできているのか?」ということです。
この一見単純な問いは、深遠な哲学的・科学的意義を孕んでいます。古代エジプト人は身体を魂の器と見なし、洗練されたミイラ化技術を発達させ、繰り返しの実践を通じて人体解剖学について徐々に学んできました。古代ギリシャの哲学者たちは「四元素説」[1]を提唱し、人体を含むすべての物質が火、空気、水、土から構成されると信じており、古代中国の医師たちは金、木、水、火、土の五つの元素を用いて人体を理解し[2]、自然界と人体の両方を説明するために同じ枠組みを適用しました。
これらの初期の探究は、深遠かつ哲学的でありながら、すべて「私たちは一体何なのか」という同じ問いに根ざしていました。私たちは一体何なのか?解剖学、化学、物理学が進歩するにつれ、この古代の問いは推測から実証科学へと発展しました。もはや単に理論化するだけでなく、測定し、分析し始め、これほど身近でありながら謎に満ちた存在を徐々に理解するようになっていったのです。
現代の科学者たちは、私たちの体の脂肪、筋肉、骨をどのように正確に測定するのでしょうか?何千年にも渡って問われ続けてきたこの問題は、過去1世紀の間に革命的な答えに至りました。
現代測定の基礎
1896年、科学者たちは魚の密度を測定することで魚油の含有量を決定できることを発見しました。密度が低いほど油分含有量が高くなるのです。この一見些細な観察が、現代の体組成分析の基礎となりました。
1942年までに、科学者ベーンケがこの原理を人間に応用し、「水中体重測定法」を発明しました。人々は完全に水中に沈んで体重を測定され、その後アルキメデスの原理によって体密度が計算されます。脂肪の密度は低く(約0.9 kg/L)、筋肉の密度は高い(約1.1 kg/L)ため、体脂肪率の推定が可能となります[3]。
初期の体組成分析では、複雑な人体をわずか2つの構成要素、すなわち脂肪組織と除脂肪量に単純化しており、このモデルは40年以上にわたって業界で親しまれてきました。利用可能な技術を考慮すると、シンプルで実用的、そして理にかなったものでしたが、この2コンパートメントモデルは重要な仮定に依存していました。すなわち、すべての人が同一の除脂肪量組成、具体的には73.2%の水分、20%のタンパク質、約7%のミネラルを持つという仮定です。言うまでもなく、実際ははるかに複雑です。年齢が異なれば体内水分含有量も異なり、男性と女性は筋肉の比率が異なり、異なる民族は骨密度が異なります。
1960年代、科学者たちは「3コンパートメントモデル」を開発し、全身水分量の測定を追加しました。被験者に特殊な同位体(重水素など)を含む水を飲んでもらい、研究者はこの水が体内にどのように分布するかを追跡したのです。
1980年代までに、二重光子吸収測定法が登場しました。この測定法は後に私たちがDXAとして知る技術となり、骨ミネラル含有量が測定できるようになりました。これにより「4コンパートメントモデル」が誕生し、人体を脂肪、全身水分量、タンパク質、ミネラルに分割しました。
技術が進歩するにつれ、体組成を測定する方法はますます洗練されていきました。
中性子放射化分析は、おそらく最も精密なアプローチです。中性子が原子核と衝突する際に生成される放射線を用いて体組成を分析し、人体の11の主要元素(酸素、炭素、水素、窒素、カルシウム、リン、カリウムなど)を測定します。本質的に人体を化学サンプルとして扱い、極めて高い精度を達成します。しかし、高価で複雑な機器により、その使用は専門の研究センターに限定されています。
二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)は1990年代に広く普及しました。比較的低い放射線曝露で、脂肪、筋肉、骨を区別しながら骨密度を測定します。現在、DXAは主に病院で骨密度検査に使用されています。
1995年、空気置換プレチスモグラフィー[4]が体組成測定の新たな可能性を開拓しました。ボイルの法則を適用したこの技術は、密閉されたチャンバー内で人が置換する空気の体積を測定することで体密度を正確に計算します。被験者には、ただぴったりとした服を着て、短時間チャンバー内に静かに座ってもらうだけです。水中体重測定と比較して、この方法は水を恐怖心を抱く患者さんや、高齢者、子供、妊婦、移動に制限のある人々にとって、はるかにアクセスしやすい選択肢となります。
理解の4つのレベル
現代科学は体組成を以下のような異なる4レベルで検査し、それぞれが独自の物語を語っています:
原子レベル
最も基本的な化学レベルにおいて、人体は主に11の元素で構成され手織り、酸素、炭素、水素、窒素がその大部分を占めています。
分子レベル
原子の1段階上には、脂肪、タンパク質、水分、ミネラルなどを含む分子の領域があります。これは科学者が最も頻繁に使用する分析的枠組みであり、私たちが最も理解しやすい言語を表しています。
細胞レベル
細胞内と細胞外の空間は、それぞれ異なる生物学的プロセスをサポートします。このレベルを理解することで、代謝の秘密が明らかになります。
組織・器官レベル
組織と器官は、筋肉、骨、内臓の実際のサイズと形状を示す、私たちに最も馴染みのある身体の見方を表しています。体組成の最も直感的な図を提供します。
水中体重測定、中性子放射化分析、DXAスキャンなど、これらの精密な測定技術は身体における考古学的ツールのように機能し、結果も正確かつ詳細です。しかし、高価な機器と複雑な手順が必須とされるため、体組成を理解したい一般の人々にとっては障壁となっています。そのため、科学者たちは代替案を求めるようになりました。身体の秘密を解き明かせる、よりアクセスしやすく、より簡単な方法はないのでしょうか?
その答えは、すでに発見されているものの、まだ完全に活用されていない現象、すなわち人体の電気的特性にありました。次の記事では、生体電気イン次章では、インピーダンス分析がいかに誕生したかについて見ていきましょう。
参考文献
[1] Stanford Encyclopedia of Philosophy. (n.d.). Empedocles. Stanford University. Retrieved June 12, 2025, from https://plato.stanford.edu/entries/empedocles/
[2] GingerChi. (2024, November 15). What are the five elements. GingerChi Blog. https://gingerchi.com/blogs/journal/what-are-the-five-elements
[3] Pietrobelli, A., Heymsfield, S. B., Wang, Z. M., & Gallagher, D. (2001). Multi-component body composition models: Recent advances and future directions. European Journal of Clinical Nutrition, 55, 69-75.
[4] Measurement Toolkit. (n.d.). Air displacement plethysmography. Retrieved June 12, 2025, from https://www.measurement-toolkit.org/anthropometry/objective-methods/plethysmography